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ガイ×ルーク 現代パラレルです。

ルーク(17)→売れない駆け出し歌手。3人グループのボーカル。ガイとは極秘のお付き合い中。
ガイ(25)→超人気俳優(笑)妻子もちだが、ルークとも関係を持っている。家族も愛す、ルークも愛す、な悪い奴
アッシュ(20)→超人気歌手。歌の他に、ドラマや映画界でも活躍中。養成所でルークの先輩。ガイよりもルークとの付き合いは長い。


という、意味不明な設定です・・・ガイ、アッシュの歳も少し上げてあります。
こんな設定許せない!ガイ妻子持ち!?ルークかわいそう!という健全な方は至急戻ってください!!
注意を無視して読んで気分が悪くなっても知りませんよ!!
まぁ、読んでやるかという方はこのまま下にお進みください・・・































「いい加減にしないか、俺が悪かったって」
「…っ!何だよそれ!?全然悪いなんて思ってねーだろ!?」
「しょうがないだろ。急な仕事だったんだから」
「だからって…連絡くらい入れるのが筋だろ!」

ここはルークの部屋。
そう広くはないものの落ち着いた内装で、オフホワイトのソファーや黒い絨毯、ガラスのテーブルにダウンライトと統一感のある部屋になっている。
といっても揃えたのはほとんどガイで、ルークが用意したものといえばこの部屋に不似合いの漫画やゲームがたくさん並んだ本棚やチェストくらいだ。
先程からのルークの怒号をガイはお気に入りのソファーに腰掛けながら軽くあしらう。
それがルークの意地に繋がり余計に怒らせた。

「俺楽しみしてたんだそ!折角久しぶりにガイと映画見れるんだって!」
「また、違う日に行けばいいだろ?」
「あれがよかったんだよ!それなのに……映画今日で終わっちまったんだぞ!」
「だから、悪かったって」
「ホントにそう思ってんのかよ!?」

永遠と同じ会話の繰り返し。
何故ルークがこれほどまでに怒っているかというと、今日は久しぶりに二人の休みが重なった日。
滅多にないチャンスにルークはガイを映画に誘い、ガイもそれを快く承諾した。
この映画はガイも出演しており、ルークとしては絶対に見ておきたい作品だった。
他でもない…ガイと一緒に。
映画の内容は感動ラブストーリーで興行収入一位の超話題作となっている。
ガイは主役とはいかないが主人公と恋の相手を繋ぐ大切な役所だ。
ルークは前々からガイを誘っていたのだが、多忙なガイの為中々休みが合わずやっと映画最終日の今日願が叶ったのだ。
ルークは上機嫌でその日のプランを立て、当日には20分も早く集合場所に来るという浮かれぶりだった。
なのに…どんなに待ってもその日その場所にガイが来ることはなかった。
どれだけ携帯電話をかけても繋がらないし、なんの返事も来ない。正午を過ぎルークはだんだん心配になってきた。
もしかして、事故にでもあったのだろうか…と。
居ても立ってもいられずガイを探しに繁華街を歩いているときにショウウィンドウに並ぶテレビの中でガイを見つけたのだ。
そのテレビは録画放送ではなく生の番組。
普通だったら、ルークと待ち合わせしているばずのガイが出ているはずない。
だが、確かにガイだ。
テレビの中で楽しそうに他のタレントと笑うガイを見てルークは「約束…してたのに」と絶望的に気持ちになり、半泣きの状態で家まで帰って来た。
結局ルークがガイに会えたのは夜の9時前で、この時間になってしまったらもう映画は始まっており、途中からしか見れなくなってしまうし、到底行く気になれない。
大切な二人の一日は最悪の形で終わってしまった。
なんで来なかったんだよ?なんで連絡しなかったんだよ!?
俺にとっては大事な日でも、ガイにとってはごく普通の何でもない日だったのか!?
いつもだったら「ガイは忙しい」の一言で終わるはずだった。
ルークだってガイの仕事姿は見とれるくらいかっこよくて、大好きだった。
…だけど、今日は何だかイラつく。
ガイに対する不満が爆発して今に至るわけである。

「大体ガイはいつもそうだよな!?ちゃんと約束してるのにどたキャンばっかじゃねーか!俺なんて二の次か!?」
「なんだよそれ…俺には養っていく家族だってある、それに、あんな恋愛映画を男二人で見て何が面白いんだ?」
「!!」

売り言葉に買い言葉。ルークもガイも今の言葉は二人が付き合う上では禁句だ。
ガイが家族を大切にしていることはルークもよく知っている。
それでもガイが好きだから離れられずにいた。
ガイもルークを二の次なんて考えた事は一度もない。
ルークが笑う事や喜んでくれる事だったら何でもしてあげたいと思っている。
のに…上手くいかないのは誰のせい?
笑い合えないのは何のせい?
その答は二人ともわかっている。
上手くいかないのも、笑い合えないのも全部自分のせい。
自分勝手な想いだけ押し付けて、お互いを思いやる事を忘れてしまったから。
それは1番大切な事なのに。
静まり返った部屋にルークの震えた声が響く。

「俺は…男同士とか恋愛映画とか、関係なくて…ガイをもっと知りたかったから。映画見れば、見たこともないガイが見れると思ったから…」
「あぁ…悪いな、変な事言って。今日は、もう帰るわ」
「……」

それが1番よかったと思いルークも反対しなかった。
頭を冷やして考えなければこれ以上酷いことを言いそうだったから。
ガイがスッと立ち上がり、ルーク肩にポンと手を乗せて「じゃあな」と一言呟き部屋を出て行った。
パタンとドアが閉まる音が凄く遠くに聞こえる。
残された部屋に静けさが舞い戻り、今までのことをじっくり考えることができた。
その場に立ちすくすルークは今まで憤慨していたためわからなかったが、一人になると急に不安になり体が小さく震えてきた。

ガイ呆れてた。怒ってた。
なんであんな事言っちまったんだ!?ガイが俺の事想ってくれてるのちゃんと知ってるのに…。
どうしよう…このままガイともう会えなくなったら…。
折角想い合える仲になったのに…いやだっ!

自分の体を抱いて震えるルークは今すぐにでも出ていったガイを追いかけたかった。
それをしないのは「嫌われた」の一言が体を縛り付け動けなくしてしまったから。
臆病な心は不安をさらに駆り立てルークは今にも倒れそうなくらい心臓がドキドキとしている。
誰でもいいから助けて!
側に来て!一人にしないで!
精神が壊れそうなくらい揺れて、叫びたい気持ちでいっぱいになる。
その気持ちを押さえてくれたのはテーブルの上に置いてあった携帯だった。
今の気持ちには似つかわしくない音楽が鳴り響き、ルークは「ガイかも…」と淡い期待を胸に携帯に飛び付いた。
だが、ディスプレイに表された名前はガイではなく、アッシュ。
ガイは…もぅ俺の事なんてどうでもいいんだ…。
その一言でルークの悲しみはピークに達し、泣きながら携帯の通話ボタンを押した。

「もしもし?」
「…俺だ」
「…アッシュ…」
「近くにいるんだがメシでも……?…どうした、声が変だぞ」
「…なんでもねぇよ」
「…泣いてんのか?」
「!…べっ、別に泣いて…なんか」
「ホントか?」
「……」
「今行くから、待ってろ」
「え!?アッシュ…おいっ」

もうすでに切れており、ルークは携帯を握りしめて呆けた。
とりあえず、泣いているところを見せたくない…とルークは必死に目を擦り、顔を洗って笑顔の練習をした。
だけど、鏡に写る自分の笑顔は情けない表情に見える。
そうこうしているうちに玄関のベルがなりルークは慌てて向かい、アッシュだと確認するとゆっくりとドアを開けた。

「早かったな、一体どこにいたんだよ?」
「どこにいようが俺の勝手だろう…」

アッシュはムッと不機嫌そうに玄関に入ってくる。
だが、よほど急いで来てくれたのか少し行きが弾んでいて、それだけでルークは少し嬉しく感じた。
アッシュはさっきまでガイが座っていたソファにもたれ込むように腰掛け、ルークが出してくれたアイスコーヒーを一気に飲み干した。

「一気かよ…そんなに急いで来たのか?」
「うるさい!…お前こそ、泣いてるんじゃないのか?」
「あぁ?誰が泣いてるかっつーの!」
「…目が赤い」
「!!」
「あんなに擦るからだ」
「な、何で知ってるんだ!?」
「やっぱり泣いてた」
「…うっ」
「何があった?」
「アッシュには…カンケーないだろ…」
「何が、あった」

低く圧迫感のある声でもう一度聞かれた。
アッシュと目を合わせないように、ルークはオドオドと下を向く。
ガイとの関係は誰にも知られてはいけない事だから迂闊には相談できず、アッシュに隠し事をしたという罪悪感が心苦しかった。
アッシュはただじっと眉間にシワを寄せルークを見つめるだけ。
知られてはいけないが、誰かにこの想いを打ち明けたいのは確かで、いつも助けてくれるアッシュにならきっと力になってくれる。
そう思って言い出そうとしたとき、いち早く先にアッシュが口を開いた。

「ガイってヤツ関係か?」
「…ぇ」

アッシュの口から出た言葉はルークの核心をついていた。
全身がゾワリと振るえ、頭の中が真っ白で何も考えられない。
声が出ない振るえた唇が「どうして」とうっすら形取る。
それを察したアッシュはふんと鼻を鳴らし、足を組み直して臆することなく答えた。

「ずっとお前の事を見ていたからわかっていた…お前がガイってヤツに特別な感情を抱いてる…ってな」
「…?」
「っち、わかんねぇか…こっちこい」

ソファに偉そうに座ったままのアッシュはテーブルの向こう側で首を傾げるルークを呼び寄せ、目の前に立つように指示した。ルークは不思議に思いながらも素直にアッシュの目の前に立つ。こんな間近でアッシュを見下ろすことは始めてだ。

「なんだよ?」

その問いに間髪入れず、アッシュはルークの手を引いた。
急に引っ張られ油断していたルークは当然アッシュの腕の中に倒れ込む。
無理な体勢で倒れ込んだせいかアッシュの肩にオデコをぶつけてしまった。
そんなことなど気にせずアッシュは膝をついたような姿勢のルークを強く抱きしめた。

「…ってぇ!急に何すんだよ!あぶねーな」
「……」
「アッシュ?どうしたんだよ?離せって」
「…断る」
「断る…って…アッシュ?」

ばたばたと動き出したルークに舌打ちをして、背中に置いてある片手をルークの後頭部に移動させ、髪を強く引っ張った。
痛みにルークが怯んだ隙にアッシュは噛み付くようなキスを落とす。
いきなりのことに驚き目を見開くルークは、どうにか引き離そうと更に激しく抵抗した。だがアッシュがそう簡単に離す訳なく、角度を変えて深く口内を貪られる。
ルークの口角から飲みきれなかった唾液がつぅ…と流れ落ち、アッシュの服を汚す。
アッシュの執拗な口づけに呼吸もままならず酸欠で頭は朦朧とし、腰は力が入らずガクガクと震えた。
瞳からは恐怖感と生理的なものからか涙が溢れてくる。
それでも止めてくれないアッシュに、これほど求められているのならもうこの身を委ねてしまおうか…そう思い始めて来たとき、またしても場面に似つかわしくない音楽が鳴り響いた。
開きっぱなしの携帯に表示された名前は今度こそ…

「ガイッ!!」

ルークは最後の力でアッシュを押しのけ携帯に飛び付いた。
ガイからのメールを開くと「今日はすまなかった」の一言だけ。
絵文字も顔文字もない。
元々ガイは淡々とした文章しか打たないが、それでもこうしてメールをくれたことがルークにとっては何より嬉しかった。
絨毯にへたりこみ携帯を愛おしむように抱きしめる。
今すぐ声が聞きたい。
直接会って、謝りたい。
だけど、いつもなら電話をかけてくれるはずのガイがメールにしたということは、電話の出来ない状態…家族といるのかもしれない。
ガイのことになると慎重になるルークはそう考え、メールの返信ボタンを押した。
震える指で「俺も、ごめん。今度は絶対に映画いこーな」と打って送信ボタンを押す。
一分もしないうちにガイから「楽しみにしている。おやすみ」という返事が来て、ルークは顔がにやけるほど嬉しかった。
それを不機嫌そうに見つめるアッシュ。

「終わったか?」

ビクリとルークが震える、恐る恐る振り向き、コクンと首を頷く。
警戒心剥き出しのルークにため息を一つして、立ち上がりルークの方へ歩き出す。
ギュッと身を固めるルークだったがアッシュはそのままルークを素通りして玄関に向かった。
ギュッと身を固めるルークだったがアッシュはそのままルークを素通りして玄関に向かった。
無言で靴を履くアッシュの後ろ姿を固唾を飲んで見つめる。
声をかけたくても何て言えばいいのかわからないし、アッシュの先程の行動を思い出すと体が竦み立ち上がることができない。
アッシュが立ち上がりトントンとつま先を地面に打ちドアノブに手をかけた。
ルークは何度も呼び止めようと必死に試みたが、その度に唇が動くだけで言葉を発することはできない。
アッシュの体が半身ドアから出かかったときルークは思いっきり叫んだ…つもりだった。

「ァ…シュ…」

しかし、やっと出た声は弱々しく掠れていたが、ちゃんと聞こえていたのかアッシュの動きが止まる。
そのまま振り向きもせずアッシュがぶっきらぼうに口を開く。

「悪いなんて思ってねぇ。俺は、てめぇの事が好きみたいだ…てめぇだけだ。あいつみたいにフラフラしねぇ!覚えとけ」

そう言い残してアッシュの姿が見えなくなった。
今まで友達、よき先輩としか見ていなかったアッシュからの告白…正直なところ、嬉しかった。
アッシュの事は大好きだし、全ての事で尊敬と憧れを持っている。
女だったら、絶対惚れている、と思えるくらいだ。
だけど、違う。ガイとは…まったく違うのだ。
アッシュとガイでは想いの深さも、占める割合も、一緒にいたいと思う時間でさえも違う。
怒ったって、泣いたって、凹んだって…それがガイのくれた感情なら全部大好きなんだ。
この気持ちは変わらない。
次にアッシュやガイに会える日はわからない。
そう遠いことではないのは確かだが…二人に会ったら伝えよう。
それぞれの気持ちを。
そう決心したルークは二人に会える日を夢見て眠りについた。








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前、後編になってしまった・・・
アッシュ、かわいそうな役でごめんね〜
けど、愛してるよ!!